■調査目的
 2000年に交通バリアフリー法が制定され、交通機関等ではエレベータの新設や障害者対応トイレの整備が進められてる。これら施設のバリアフリー化は、障害の有無や年齢、健康であるかそうでないかも含めあらゆる人にとって利用しやすく、より安全・快適な外出環境への改善に繋がるものである。
 当調査は、こうした様々な人々を対象に、外出に際し利用することとなる公共交通機関について、整備が進みつつある施設と、それらを利用するために必要な情報とその案内に対し、どのような事柄に不満・不便を感じているか、また満足し評価しているかなど現況を把握し、情報整備における問題点と改善に向けての課題を明確にすることが主な目的である。
 鉄道での移動円滑化整備の多くは既存駅の改修であり、設置エレベータなどが必ずしもわかりやすい空間にある訳ではない。案内は、概ね施設への誘導表示を付加することで対処しているのが実状である。この案内表示は歩行制約のない人々を対象としたものであり、はたしてだれもが迷わず快適な移動が実現しているだろうか。ハード整備は道半ばであり、施設の整備評価、移動円滑化についての案内表示機能を問うべき時期といえる。
 なお、このレポートでは特に、これまでほとんど試みてこられなかった身体障害の違いや、加齢による外出時の不安、不便についての分析を行うことによって、ユニバーサルデザインやバリアフリー整備の際に、注意すべき新たな視点、知見を得ることを念頭に置いている。
■調査方法
調査期間:2006年3月11日〜5月22日
調査地域:大阪府下及び近隣都市
対象者:障害者・介助者、高齢者、一般(健常・非健常)
調査方法:調査票を持参もしくは郵送、後日回収

 調査票の配布回収は、障害者・介助者へは関係団体の協力で、一般健常者等へはボランティアの個人協力により、また高齢者へはその双方で実施。
 大阪市内では府肢体不自由者協会の障害者生活支援センターを中心に各区の自立支援センターを通じて関係の授産施設等へ配布し回収。 府下では「障害者の自立と完全参加をめざす大阪連絡会議」の協力により障害者参加の集会において配布回収。 またこれらとは別に事務局では、府下の各市と大阪市内との移動交通量の多い神戸、西宮、尼崎、京都、奈良、生駒、大津の各市の社会福祉協議会関連のリストをもとに、障害者へは通所者数の多いと思われる授産施設を選択し郵送配布・回収。また高齢者へは、各市区の老人福祉センターに協力依頼し郵送配布・回収。
 なお、質問項目については事前に福祉団体等に意見を聞きながら設計を行い、右のように合計20の設問を作成し調査を実施した。
■サンプル数

有効回収数2059票、配布総計9712票、
有効回収率21.2%

 回収総数は2000を越えており、サンプルの無作為抽出が個人情報保護法等の関係で困難な状況から、今回の調査結果は現在の公共交通機関の案内情報がどのような現状であるかを把握するに有益な情報を得ることができると考えられる。 また、多岐にわたる設問の多さから見れば良好な回収率といえ、記名回答(694票)と、設問への自由記載回答(539)が多く見られたことなどから、本アンケート事案への関心の高さがうかがえる。

■調査項目
回答者区分
 Q1 障害者・非健常者・健常者・介助者(自筆・代筆)
回答者属性
 Q2 年齢・性別
 Q3 居住・活動地域
 Q4 障害者の障害内容
 Q5 非障害者の外出時の様子
 Q6 外出時に使用・持参するもの
外出機会とその障壁
 Q7 散歩・買物を含む外出頻度
 Q8 外出交通手段と利用頻度
 Q9 外出機会の増減希望
外出のしやすさにつながる事柄
外出前の不安と情報収集
 Q10 初めての場所への外出頻度
 Q11 外出で不安な事柄
外出先のトイレで重要なこと
 Q12 知りたい事がわからない時の対応
日常利用する駅のバリアフリー
 Q13 主に利用する鉄道
 Q14 利用する駅のバリアフリー
迷った経験と鉄道の利用しやすさ
 Q15 駅の中で迷った経験
 Q16 駅で迷った時はどうするか
 Q17 5年前と比較した駅の利用しやすさ
     鉄道の利用しやすさ評価
利用鉄道の駅の案内について
 Q18 駅の案内で迷う事柄
     駅の案内のわかりやすさ評価
 Q19 駅をわかりやすくするには
大阪市内の案内表示について
 Q20 主な表示板の利用評価
 

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